+ 催眠 +

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夜、何をしても寝付けずにいる

 

真っ暗なはずの部屋は、もはや柱の木目さえ認識できるほどに明るく

 

カーテンの上部から差し込む光の点々を眺めてはただ焦るだけの時間が流れる

 

それでも、バイクが停まり郵便受けに朝刊の落ちる音がすると

 

偽物の月明かりはたちまち爽やかな暁と成り代わり

 

「朝がきた」と思った瞬間、あるともしない風に意識が薄れていく